金月銀陽おかわりQ&A

Q1. 「ニキが第一話で意味ありげに登場した意図は?」

Q2. 「大後退とは何だったのでしょうか?」

A1.特にないです
 珀亜さんの幽霊や神王様を決着も考えずに出しておいた仕込みと同じく、特に重い意味はありませんでした。後で何かに使えるだろうと適当に出しただけの、名前付きモブの一人です。

 ニキに関しては、新人兵士としてやってきた珀亜ちゃんが持ってきた騎体からコボルト・ビャクに乗り換えるためのスムーズな理由付けの一つ以上の役割はありませんでした(後は、万里派閥があんまり好かれてないんだなーくらいの象徴)。機体喪失・破損からの乗り換えはラススヴィエートでやっちゃいましたので、被っちゃいますし。
 神揚に戦力的な余裕がある以上、後方から送られてきた新兵に騎体を宛がわないのは不自然でしたし、かといって八達嶺にあるビャクを一度後方に下げる意味もありませんでした。特にビャクは欠陥あり騎体として八達嶺では放置されていた設定ですから、たぶん後方に下げられたら解体されていたんじゃないかと思います(それに、そんな欠陥機を実績のない新人に与えるとも考えにくい)。

 ただそこで「モブキャラ将軍が騎体持ってっちゃいました」というと格好が付かないので、それっぽい雰囲気を出すために名前を付けたというだけです。別に猪牙の将軍とかでも良かったんですが、余計な個性はいらないと判断して名前を出すだけに留めました(猪牙の将軍とか書くと名前で呼べないので、後で結局名前を設定することになって二度手間になる)。
 珀亜ちゃんの設定にあった『ロッセが実は黒幕かも』の仕込みに対するカウンター的な目論見は若干ないでもありませんでしたが、基本は『感じ悪い将軍』というだけですね。
 これは『感じ悪い使者』以上の役割を持たなかったはずのバスマルや、『アーレスの協力者』役のキララウスも大筋は同じです。キララウスはもうちょっとイイ立場でしたが。

 そんな名前付きモブがシャトワールさんに拾われ(2話で出番が増えたのはシャトワールさんのアクションによるものです)、まさかクーデター首謀者になって準レギュの座まで射止めるなんて誰が思ったでしょう。

A2.だいたい腐海と似たようなもんです
 二つの世界を分ける舞台装置として機能した滅びの原野ですが、まあ腐海みたいなもんです(みもふたもない)。

 だいたい今までの流れとしては……

1.大陸の文明がすごく栄える(いわゆる宇宙移民船=『箱船』直系の文明)
2.栄えすぎて大変なことになる(バスターランチャー作ったりとか)
3.「ちょっと、頭冷やそうか」というノリでロストアーク発動
4.大陸中央部で滅びの原野の薄紫の霧が発生。周囲を浸食し、人類の生存出来ないエリアを作り上げる
5.滅びの原野は徐々に拡大。人類は南北に後退を余儀なくされる
6.文明が分化、内容によっては後退する
7.残った技術で滅びの原野内でも生存出来る技術、浄化技術を獲得
8.キングアーツ王国、神揚帝国の成立
9.キングアーツと神揚、生存領域での版図拡大を概ね終えたため、非生存領域への進出を開始
10.本編に至る

 といった感じになっていました。
 この3~5に当たる流れがいわゆる『大後退』と呼ばれる事件で、これは瞬間的な爆発等ではなく、どちらかといえば毒ガスの浸食に近いイメージの方がいいんじゃないかと思います。
 古代人が滅びの原野を作った目的は文字通り『頭を冷やす』事にあって、後の世で南北で生き残った人達が今度は平穏無事に出会えるといいね……という希望的観測を含んだもの……だったような気もするのですが(だからスミルナや、アークなどの『攻略のヒント』が残っていたわけです)ファーストコンタクトはまああんな感じになってます。

 じつのところ双方共に薄紫の霧の浄化技術は身に付けていて、それがキングアーツで言う灰色の煤煙、神揚の琥珀の空と呼ばれるものです。
 ただしどちらもそれほど効率が良くないので、『前線基地(メガリや嶺のこと)を作って安全圏を確保→国土からその間までの領域をじわじわと浄化→その後に開墾』という手法を使っています。ククロくん達が見つけたのは、この浄化技術を効率よく行なう方法ですね。

 余談ですが、この灰色の煤煙・琥珀の空・薄紫の霧・緑の森などの色をベースにした表現は場面転換の多い本編において、舞台を示す象徴として本文冒頭で意図的に多用されています。

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