【宇部の】大人の社会見学ツアー【伝説】
「今日の予定は知ってますよ! 大人の社会派ツアーなんですよね!」
うん。
でも、悪いけどヒビキさんは……。
「……むしろ出さないで下さいよ」
ですよねー。
念のためにひと区間ほど高速使ったのと、宇部有料が無料になってショートカット出来たおかげで、まだ集合時間にはちょっと余裕がある感じ。
「あれが島ですか?」
あの島、前はちゃんと作中通りのイメージであったらしいんだけど、滑走路の延長工事でなくなっちゃったらしいのね。
島の面影を公園内に残してあるって話だから、多分あの島がそうなんだろうね。
軽妙なしゃべり口で面白いトークだったのですが、あまりに貴重な情報なので保存しておくべきと、記録係のかたが同行してらっしゃいました。
そんなお話の一部ー。
・美祢線は現場組が本気を出し過ぎて一年で開通した
・開通当初は年中無休で港まで貨物を運んでいた。だが大晦日も本気で運びすぎたため「紅白見られない! うるさい邪魔!」と沿線の住民から苦情が殺到。仕方なく年末年始は休みにした
・ただし年末年始も宇部の工場は容赦なく稼働していたため、原材料確保の段取りは大変だった
・美祢線が2010年の水害で使えなくなった時、山口線経由で行っていた美祢~三隅の炭カル・フライアッシュ運送を、健在だった長門経由で運ぶ案も出た
・だが美祢以北の線路は旅客特化で美祢以南よりも安価なレールを使っていたため耐久力が足りず、トラック輸送になった
・興産道路が出来たのは、年末年始の件やその他諸々で鉄道では色々大変だったから
・興産道路は山を切り通して作ったが、通した山は全部粘土山。粘土はもちろん自社製品の原料として使い倒した
・興産道路は規格外のマシンが激走するので、日本の高速道路よりも頑丈に作ってある
・「もしかしたら規格外のマシンが規格外すぎてブレーキ効かなくなるかも……」という理由で、開通当初から道路の何カ所かにマシンを突っ込ませて止めるための砂山が設けてある。あくまでも想定外の事態を想定しての事なので、今のところは想定の範囲内のまま(=一度も使った事はない)
・想定外の事態は想定外、ということは技術屋としてありえない
・美祢~宇部の搬送手段として、ベルトコンベアという案もあった
・ベルトコンベアにNGを出したのは当時の社長
・ベルトコンベアにしたら、美祢は採掘するだけの場所になってしまう。でも道路なら、美祢に工場を作って宇部と人や資源をやり取りする事が出来る
・美祢に立派な工場があれば、もし採掘が終わってもそれで美祢はやっていける
・孫の世代に「爺の世代にやり尽くしたからもうここには何もない」と言われるようではだめ
・なので、興産道路がベルトコンベアになっていたら、美祢は夕張のようになっていた可能性もある
・自他共栄……ではなく、自他同栄
・石灰産業最強説
・美祢で石灰を作りまくっているため、宇部は今でも石灰を触媒にして海水からマグネシウムを作る事が出来る
・山口県は鉱物資源天国。特に無煙炭と石灰岩に関しては奇跡的なレベル
江戸末期の七卿落ちも、このルートを使って行われたそう。
私道を走る事に特化したマシンなので、ナンバープレートも自社仕様。
これは釣りバカ日誌でもハマちゃん達が渡ってましたね。
9.11の所為で国際港は一般人の立ち入り禁止区画にされてしまったのですが、今回はツアーということで特別に!
「おつかれさまでしたー」
楽しかったわー。
ツアーだからヒビキさんが出せないのは残念だけど、それを補って余り有るほど有意義なツアーでした。
特にコーディネイターさんのお話が圧倒的過ぎた。
8月末にも同じシリーズのツアーに参加予定(コーディネイターさんは別のかたらしいですが……)なので、そこでも面白いモノを見られる事を期待してしまいますよ!
というかこの手のツアー、防府でもやらないのかしらね……?
塩田とか東大寺絡みの話とか幕末絡みとか、それなりに面白そうなネタは転がっているのだけれども。