集中

 寝て起きて書いてアニメ見て寝て起きて書いてアニメ見て一日が終了。外は台風が凄かったみたいだけど(TVはちゃんと見た)、ウチの周りに関しては特にオオゴトはなかった様子。

 まあ物書きは充実しているのであたし的には言う事無いのですが、ネタにはならんわなぁ。


「そろそろ、式も始まった頃ですか……」
 ムディアは静かに、路地裏の空を見上げた。
「申し訳ありませんが、そこは通行止めです」
 ひゅんと空気を裂き、細いロープが宙を舞う。
 腰に巻いてあった捕縛用のロープなのだろう。だが、その撃ち出す速さは視認出来ぬほど迅く、鋭い。
「……あら」
 路地の空。鈍い音と共に何もない空間へロープが絡み付き、重厚な手応えが伝わってきた。
「普通の刺客、というわけでは無いようですね」
 ぱらぱらとはがれ落ちる幻を見ながら、ムディアは静かに呟く。
 黒い仮面を付けた女だ。途中で暑くなったのか、はたまた隠す必要が無くなったからか、黒いコートは腰に結びつけている。
「そう?」
 別に幻を使う刺客など珍しくない。穏行の魔法や薬の種類は多いし、自らの体色を変えるカメレオン族のビーワナもいる。
 だが……。
「普通の刺客であれば、腕は六本も要らないでしょうから」
 ロープが捉えたのは腕のうち一つだけ。残る五本は、いまだ自由なまま。
「まあ、そうは違いないわね」
 自由な手で短剣を引き抜き、絡み付いたロープに斬りつける六本腕の美女・アルジオーペ。
 が、ただのロープであるはずのそれは、ナイフの刃を通さぬどころか、斬撃の瞬間にぽきりとナイフの刃を折り取ったではないか。
「只のロープで、こんな事をするとお思い?」
 ムディアの手にあるは、青く輝く星の石。巡るティア・ハートの力を加えてぐいと引けば、少女の力に何倍する力が加わり、六本腕の女を階上から地面へと引きずり落とす。
「なるほど、ね」
 だが、アルジオーペが大地に叩き付けられる事は無かった。
「……糸?」
 中空に浮かび、余裕の表情でこちらを見下ろしている。いつ貼ったのか、路地裏に縦横に巡らせた銀糸の結界に、その身を委ねているのだ。
「私達の前じゃあ、少し詰めが甘かったわねぇ」
 ロープを支え巡る水流もアルジオーペの手の前にあっさりと砕け散った。それこそ、引き剥がされる幻の如く。
 力を失えば所詮はただの荒縄。折れたナイフでも十分に断ち切れる。
「それにね、本当の捕縛というのは……」
 仮面の下で薄く笑うと、アルジオーペは貴石の力砕く手のひらを、すいと横へ。
「ん!?」
 赤の聖痕。粘り着く銀の蜘蛛糸がムディアの動きを絡め取り……。
「こうするのよ。お嬢さん?」
 次の瞬間、ムディアの目の前に舞い降りた美女の腕が、彼女のティア・ハートをあっさりと割り砕いた。


 ネタがないので、序盤をちょろっと抜粋。

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