スパイラル天秤

 まあ何だ。今日はちょいと愚痴。
 重い話題が続きますが、ご勘弁を。


 世の中は不況である。頭の悪い政府は景気は右肩上がりだよとか言うけれど、現場の人間はそんな事誰一人として信じては居るまい。
 賃金は安い。労働時間は長い。ついでに税金は高い(割に、見返りが少ない)。
 狂ったような量販店の値下げ合戦で生き延びられる消費者がいる反面、その負担は値下げ出来ない個人商店や、量販店員のお給料、もちろん一次生産サイドに返ってくる。
 賃金は安く(何せ儲けが無いのだから)、労働時間は長く(何せ賃金が安いのだから)、それでも売れなければ単価を安くする(賃金が稼げないから)。故に賃金は安くなり(以下ループ)。
 長い労働時間に心か体が耐えられなくなった者は脱落するしかない。脱落すれば残った人達の負担は増え、長く長くなった労働時間に心か体が耐えられなくなった者は矢張り脱落するしかない。そいつらが脱落すれば残った人達の負担は増えに増え、長く長く長くなった労働時間に(以下ループ)。
 残るのは我が意を通せる頑丈な者か、合間をすり抜けて休みを取れる立ち回りの良い者ばかり。

 脱落スパイラル。生き残るのは誰だ。

 障害者認定は受けられないけれど、過酷な労働時間に耐えられるほどタフでもない。何だかんだで、そういうとばっちりはその辺の不安定な人に集中砲火で飛んでくるのよねぇ……と、周囲を見回せば思う事暫し。
 ガンバレなどとはとても言えない。
 一番頑張っているのは、他でもない当人なのだから。無意識のうちに頑張って頑張って、それに心や体が耐えられなくなるから、ド派手に転んでしまうだけなわけで。頑張らない人はそもそも転ばないから、意外に強いもの。
「限界以上の仕事です。出来ないものは出来ません」
「俺がお前の頃に出来た事を何故お前は出来ないのか。役立たずだから出て行け」
 それを『怠け者』と切り捨てるのは強者の理論。強者の基準。

 ……まあ、なんだ。下から上を見た卑屈な意見なのは分かってるさ。
 でもなんつーかさ、弱い側も体力的精神的な限界とか、無理すると死ぬとか(比喩抜きでな)、相応の理由があったりするのじゃよ。単に努力不足とか情熱不足とかの場合もあるけれど(そして転び易い奴ほどその辺の理由で自分を責めるわけで)。
 いずれにせよ、それを一番強い奴基準で語られても、こっちも文字通り死ぬしかないわけで。
 何かを切り捨てられずに、意地張って転ぶこっちも悪いんだけどさ。

 その辺の理由で会社を脱落して一年ばかり世間をゆっくり眺めてきたけれど、死ぬ事を求める社会と、それに追われて限界以上にドライブする人の多いこと多いこと。終身雇用でそんな事してたら、間違いなく過労死するってばよ。洒落にならんて。
 まあそんなオイラの経験から言えば、

「愚痴れる間はまだ余裕。余裕のある間に一言でも吐き出して、ダメージを少しでも軽減するしかない」

 親に言わせれば、会社辞める直前のオイラは猛烈にテンパってて、表情違ってたそうです。辞めてから暫くも会社のある街方面に行くと気分悪くなってたし。
 幸いあたしには日記やら親やらネットやら散々愚痴を流せる場所があったので、リスカやら首吊りとかには至りませんでしたが……。社会に出たと同時に一人暮らしを始める人は、本気でそういう場を見つけといた方がいいです。

 命あっての物種なわけで、生活のために死んじゃ元も子もないですよ……マジでな。

 明日から仕事。少しずつ体を慣らしていこうと二週間の短期業務から。
 とりあえず死ぬな、自分。

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