【こんな感じで】文章書きのライティング状況ほぼ実況【書いてます】
先日こんな話がありました。
「絵や立体は、途中経過をネットで公開したりするのに、文章書きはそういうのしないよね?」
というわけで、ちょっと実験的にそういうのをやってみようと思ったのであります。
さすがにお仕事の文章や、ゲスト原稿のテキストをアップするのはNGなので(あたりまえだ)、著作権が自分にある文章で、ほぼ同様の事をシミュレートしてみちゃいますね。
ルールは以下の通りとします。
ルール1
ランダム性を期するため、診断メーカーを使ってお題と、3人の登場人物の基礎設定を用意し、即興のお話を作ります。診断メーカーの分量はツイート単位ですが、今回はキロバイト単位として換算します。
ルール2
プロット、初稿、調整中のテキストは別途保存するものとし、いずれも公開するものとします。
わざわざルールにランダム性を用いたのは、普段書き慣れてるキャラ(それこそ恋姫とか妹選挙とかボクスクのキャラね)と、全くの新規キャラだとテキストの作成スピードが違うからという点と、世界観やキャラ設定の立ち上げの段階から企画にした方が面白そうだったからです。
また、これは実験的な企画なのと、新井がやっている方法をさらす……という意図で行っておりますので、「○○のやり方は邪道。ダメ」とか「そんなわけない! 俺は○○なんだ!」とか「そんなの当たり前だろ。そんなのドヤ顔で言うなよバーカ」とか言われても、困ります。
あくまでも新井のやり方……という点をご理解いただければと思います。
それと、これはウチのやり方なので、真似しても構いませんが、真似したからといって効率が良くなるとか、文章が上手になるとか、そんなことはないと思います。そういう上達の仕方は専門書とか読んで、とにかく書くしかないと思います。
あくまでも新井の露出プレイの一環としてニヨニヨとみていただければ。
流れとしては、以下のような感じになります。
1.世界観設定、キャラクター設定
2.プロット構築
3.初稿作成
4.チェック、修正
5.調整
6.完成
7.やってみた感想
また、この日の進捗やタイプスタンプなどはツイログに取ってありますので、こちらも時間を追ってみていくと面白いかもです。
●●1.世界観設定、キャラクター設定●●
まずはお題。
診断メーカーを使って、お題を作ります。
お題
新井しーなに問題です。「タクシー」「火事」「100円」の3つの言葉を含め、7ツイート以内でSFを書きなさい。
次は登場人物。
3人くらいいれば話が転がるので、三題の三つから、それぞれ一人ずつ生成します。
一人目
名前→タクシー 年齢→20 主人公の良きライバル。猫の皮をかぶった小悪魔で上目使いが得意。好きなものはプリン。
二人目
名前→火事 年齢→13 主人公の後輩。無邪気を装った邪気の塊で、最愛の妹以外には腹黒い。好きなものは少女漫画。
三人目
名前→100円 年齢→19 この物語の鍵を握る人物。最近どSと発覚した。縄と首輪は常備しているとか…?好きなものはイルカショー。
一人目・二人目が明らかに脇ポジションなので、三人目が主人公に自動決定。
次は詳細を詰めます。
とりあえずここからの手法はバラバラで、『人物を作る→話を作る』とか、『話を作る→人物を作る』とかやりやすいのでいいです。ウチはいつも違います。解法は一つじゃないよ。
今回は『人物→話』でやろうと思ったのですが、世界設定のベース組まずに途中までやって話が転がりそうになかったので没にしました。
やめる勇気大切。
ちなみに没設定はこちら。この件については全部さらすよ!
あとここのリンクはテキストがそのまま繋がりますので、よろしくお願いします(整形面倒なので)
●●2.プロット構築●●
早々に没が出たのですが、気にせず進めます。
今回ははなしをきっちり進める流れになってしまったので、大雑把に世界観を決めて、その後簡単なキャラ構築、プロット、キャラ詳細詰め……といきます。
三題話を三十分くらいでちょこちょこっと……とかだと、いきなりプロットになります。本当に臨機応変で。凝り固まるとロクな事がない。
プロット
今回は既に分量が決まっているので、どのパートで何kくらい書くかもおおざっぱに決めてます。ただしこのとき7kじゃなくて9kと勘違いしていたので、そのままになってます。
さらに言えば合計の計算も間違えて10kでやってますね。こんな算数も出来ないアホの子でも文章というものは何となく書けてしまうものなので、安心してください(何がだ)
このペース配分は(プロットの章分割でもいいですけど)、30kとか50kとか、量が増えれば増えるほど威力を発揮します。一括30kはしんどいですが、八等分して各シーン4kとかで見ると、精神的に楽になりますので。
これは後でも出てきますが、自分が一時間にどのくらい書けるかのペースを把握しておくと、作業時間の見積りも立てられてさらに気が楽になります。
困難は分割せよ。良い言葉です。
プロットで設定が若干変わってきたので、キャラ設定も微調整。
キャラ設定は、最初からガチガチに決めない方が気楽です。必要な所だけ決めておいて、本編で使わない所は『遊び』として残しておくと、後々の作業で齟齬が出てきてもフォロー出来るようになります。
今回の子達は短編なのでどっちでもいいですが、仮にこのまま続編を書く事になった場合、意味が出てきます。
ここの作業時間は1.からで9:03スタート、10:38に終わってそのまま初稿作業に入ってますね。
とはいえここは設定の量によって全く変わってくる所なので、参考にならないと思います。
●●3.初稿作成●●
ざくざく書きます。
キャラ把握さえすれば話はいくらでも転がります。
キャラを把握する=キャラがどういう思考で行動するかを理解する=説得力のある(違和感のない)キャラの描写が出来るようになる だと思ってます。
まあこれをやり過ぎるといわゆる「キャラが暴走する」という状態になってしまうので、ブレーキは必須ですけどね。
これはもう訓練と、慣れの世界。僕なりの訓練方法は幾つかありますが、今回はそういう話ではないので、機会があればまた。
あとおまけで、ウチの作業環境です。画面は縮小してますが、解像度は1920×1000。フルサイズはこちら。
大画面快適です。
主な機材(おおむねフリー)
ATOK:月額版。ないと死にます。月315円とかコスパよすぎる。
Jesty:メインのテキストエディタ(タブエディタ)。バイト表示が常時出来るので、分量調整簡単です。
YellowMint:同じくタブエディタ。資料参照用に使います。
NoEditor:正規表現の使えるエディタ。作業用。今回は使いません。WEB更新の時に使いました。
Lunascape6:タブブラウザ。調べ物用。作業が大幅に脱線する可能性を秘めた諸刃の剣。
あくまでも参考です。「秀○のほうが使いやすいよ!」とか「ぐぐるIMEでいいじゃん」いう意見は尊重しますが受け入れません。
あなたには使いやすくても、ぼくには使いやすくないのです。
今回は10:30から始めて、13:10頃終わりました。概ね予想通りのペースでした。
自分の平均字速(一時間で自分が平均どのくらい書けるのか。造語)を把握しておくと、作業しやすいです。
それがいつも続くとは限りませんが、「今日はいつもより調子良いな!」とか「今日はよくないな……。諦めて寝よう(これだいじ)」とか判断しやすくなります。
調子悪いと思っていても、いつものペースが出ていれば「ああ、結構何とかなってるんだ」と持ちこたえる事も出来ますので。
10.5kと、予定の9k(この時点では制限9kと勘違い中)より若干多いですが、どうせ後で調整するので気にせず行きましょう。
パテの盛りすぎと一緒です。
●●4.チェック、修正●●
立体工作と同じです。盛って、削る。
あとは読んでいて違和感のある所なんかを調整していきましょう。
立体と違うのは、盛っても削っても、乾燥時間や待ち時間が全くない事です。手も汚れませんのでガシガシ調整していきましょう。
今回は7k目標の所をなんと10.5kも書いてしまったので、3.5kぶんの削りが発生しています。ばーかばーか。
そうそう。ついでにここで、作品のタイトルも決めてますね。
タイトルは思いついた時に決めればいいと思います。
ここの作業時間ですが、16:22スタートで、17:47終了。一時間半くらいですね。
前の作業からの間が妙に空いてるのは、休憩やご飯やこの記事書いてたからってのもあるんですが、書き上げた直後のテンションでチェックしてもロクな事にならんからです。
余裕がある時は、まる一日遊んで、その次の日にチェックしたりしてます。
●●5.調整●●
あんまり4と変わらんのですが、最終チェック。
誤字チェックとか、語尾の細々とした再調整。
あと、本来ならこれは4でやっておくべき所なのですが、三題噺なので、ちゃんとお題が盛り込まれてるかも確認しました。百円という単位はちょっと迷ったのですが、結局そのまま入れました。
間に時間を空けて多重チェックすることで、誤字や調整出来ます。
「二回しかチェックしないのかよ!」という意見もあるかと思いますが、余裕のある時はもっとします。まあチェックする度に語尾とかいじっちゃうんで、ほどほどの所で切り上げるのも大事……ということでひとつ。
作業時間は、19:30開始 20:12終了。やっぱり一時間くらいです。
●●6.完成●●
WEB用に整形して、WEBページにアップします。
ウチはhtmlは手打ちなので、正規表現の使えるNoEditorが猛威を振います。
●●7.やってみた感想●●
えーと。
しんどかったですw
テキストなどの資料や設定作りはまあいつもの事なのでどうでも良いのですが、「途中まで書いたから見て!」っていうのは、プロットを見せるわけにもいかないし、細かい設定も理解してもらわないと読む側も「はぁ」だし、かといってその辺の設定資料を分かってもらえるようにアップするのも手間だし。
……まあ設定なんか読まなくても分かる話を書くというのは大事なことなのですが。
絵や立体って、『経過』があるんですよね。
絵なら、下書き書いて、線画描いて、色を塗って、背景描いて、全体を調整して。
立体なら、粘土の塊が形作られて、表面処理して、サフ塗って、塗装して、トップコートをかけて……と進行状況でその様子がドラマチックにどんどん変わっていくのですが、テキストって
プロット→初稿→修正修正修正修正修正修正修正→できた!
で、物語の本質そのものはプロットの段階からほとんど変わらないんですよね。
もちろん書く間にドラマはあるんですが、少なくとも目に見えて変わった! という所が見えづらい(今回の文章は10.5kから7kに大幅修正するという愉快な展開がありましたが、それは例外中の例外です)
もちろんぼくも文章書きですから、他の書き手さんがどんな環境ややり方で文章を書いてるのかはスゲエ気になります。
ただ、文字の羅列オンリーで勝負する、という本質のシンプルさ加減から、その辺の経過報告……っていうのはやりにくいのかなーと思ってみたり、みなかったり。
「○○さんの夏コミの新刊にこの線画の彩色版を寄稿するよ! 見てね!」は歓迎されるでしょうが、「○○さんの夏コミの新刊にこのプロットの小説にした版を寄稿するよ! 見てね!」となったら多分殴られますw
(まあ普通は序盤の1シーンやあらすじのみをアップ、とかになるでしょうけど)
とりあえず今回の事は大変でしたが面白い経験ではありましたので、よしということにします。
何か気になる事などありましたら、コメントいただければ出来る限りは返信や説明いたしますので、良かったらどうぞです。
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明日、6月30日
味楽るミミカが教育テレビで放送されます
できればレビューをお願いします
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>とあるミミカファンさん
はっはっは。そんなバカな……と思ったら、ホントだったー!
ひとりでできるもんとの関連もあってやるようですね。
レビューは機材の関係でちょっとどうなるか分かりませんが、情報ありがとうございましたー!