天候竜 出典:フリー百科事典『WikiEncyclopedia』 (ウェザードラゴンから転送)
この項目ではメガ・ラニカの天候竜について説明しています。 ・それ以外の竜・ドラゴン(西洋・東洋の伝説上の生物)については竜、ドラゴンをご覧下さい。 天候竜は、魔法世界および魔法都市に存在する、現状唯一の完全魔法生命体である。 巨大な翼で空を飛び、天候によってその形状を様々に変態させる独自の特性を持ち、対外的にも魔法世界や魔法都市を象徴するモンスターとして扱われている。 完全魔法生命体 天候竜は生物のような振る舞いはするが、厳密に言う生物ではなく、魔法世界に存在する魔法エネルギー『マナ』と、天の気(風水学的なそれとほぼ同義)の相互干渉によって自然発生した、完全魔法生命体である。 ここで『完全』と付くのは、一般に知られている普通の魔法生物とは、その出自・構造から全く違っているため。 通常の魔法生物や古龍・精霊が魔法を媒介に人工的に作られた合成獣であるのに対し(古龍は野生化の後、人の手を離れた進化の道筋を辿ってはいるが、あくまでも出自そのものは人工生物である)、天候竜は初めから人の手に依らず、マナと天の気によって自然発生した、完全に人の手が加わっていない魔法生命である。 また天候竜の身体構造には一切の有機物が使われておらず、完全な魔法的なエネルギーだけで構成されている。天候によってその姿を変える天候竜の特性は、この性質に由来するものが大きい。 そのため、天候竜はマナの存在しない地域には存在することが出来ず、魔法都市やメガ・ラニカの空のみを生活空間としている。 貴重な観測例として、マナの境界をうっかり越えてしまった天候竜の目撃例が華が丘で報告されている。マナの境界を越えた天候竜はその身を少しずつ崩壊させていったため、慌ててマナの密度の高い華が丘の街中へ戻っていったという。 このことからも、体の全て、もしくは大部分が魔法に密接に関連した物質で構成されている事が分かる。 生態 天候竜の生態は、実際の所いまだに不明な点が多い。 数少ない生態で判明しているのは、有機物の摂取を必要としない事(大気中のマナや天の気を吸収するため、人間のような食事が必要ない)と、天気に応じて外観を変える事である。 また、天候竜が魔法世界や魔法都市に姿を見せる現象は『実体化』と呼ばれているが、マナや天の気のバランスが中途半端な場合、この実体化が不完全な場合がある。 不完全な状態で実体化した天候竜は半透明だったり、限りなく透明に近い状態で、物理的な影響力もその実体化の度合いによって相応に低下する事が分かっている。 魔法世界・魔法都市の中で最も実体化のバランスが良いのは魔法都市・華が丘と言われ、華が丘の天候竜は透明度の全くない、非常にリアルな外観を持っている。ただし、マナが最も多いとされるメガ・ラニカではなく、なぜ華が丘の天候竜の方が実体化の度合いが高いのかは分かっていない。 なお、飛行中でもエネルギーの補充が可能なため、無限の航続距離を持つとも言われる天候竜だが、天の気が著しく乱れた時や(大型台風など)、天の気が沈静化すると言われる夜には、上空を飛んでいない事が確認されている。 こういった場合には『巣』に戻って休眠している姿が報告されているが、巣は山の中など人の手が入っていない難所に作られており、単身での到達は容易ではない。 ただし、いくら人間を食べることはないとはいえ、小さな個体でも十メートルにも及ぶ巨大な体である。巣に立ち入った人間を警戒心から攻撃したり、無意識に動かした体の一部が当たらないとも限らない。近寄るには十分な警戒と注意が、そもそもそんな危ない所には近寄らない事が先決となる。 変態 天候竜は、天気に応じてその外観を変える。 変わるのは外観だけではなく、少々の特性や動き方なども変わるという報告が上げられている。 以下が、現状確認されている天候竜の変態例となる。 ・晴天竜 晴天時の形態。空色の鱗を持ち、他の形態より速い飛行速度を持つ。 また、晴天竜のみの特性として、飛行中に風を起こさないという能力を持っている。これは強い風から、周囲の天候状況が変わってしまうからだと言われている。 ・曇天竜 曇り空の時の形態。灰色の分厚い鱗を持ち、他の形態よりも鈍重なイメージを持つ。それに比例した防御力を持つかどうかは不明。 ・雨天竜 雨天時の形態。スモークブラックの半透明な鱗を持つ。 その外観から体の内部構造が確認できると期待されているが、いかんせん雨天竜が飛ぶときは雨天で視界が悪いため、その内部構造を把握することは現状出来ていない。 ・雷天竜 雷が降る前後に確認される形態。 金色に輝く稲妻状の鋭角的なパーツを多く持ち(鱗が巨大化したものだと言われている)、雷撃音に似た咆哮を上げる姿が確認されている。 雷など、いわゆるブレス攻撃を行うかどうかは不明。 雨天竜から、天候の悪化に伴って移行することが多い。 ・暴風竜 嵐の中で確認された形態。曇天竜の外観を黒く、より重厚にしたような姿を持つ。 ただし、強力な嵐になると天候竜自体の気のバランスが崩れてしまうらしく地上に降りてしまうため、この姿で飛ぶ場面が見られるのは弱い台風が来たときなど、ごくわずかな場面に限られる。 不死性と密度 天候竜は一つの魔法都市に一頭だけしか存在していない。 季節によってサイズに差があることもあるが、これはサイズの違う個体がいるわけではなく、周囲のマナや天の気の割合によって、体格に差が出てくるためである。 外観に関連する問題であるため、実体化のレベルや変態とも関連していると言われているが、この三つの現象とマナ・天の気のバランスの詳しいメカニズムはよく分かっていない。 この存在数は周囲のマナの密度、天気の密度に関係しており、地上世界の魔法都市でもマナ密度が高いとされる華が丘でも、二頭同時に確認されたケースはない。 これは魔法都市に満ちるマナ・天気が、天候竜が二頭生まれるために必要な量に足りないからだろうとされている。 メガ・ラニカには南部と北部で同じ時刻に天候竜が確認されたという報告もあるが、同一場所で複数頭の天候竜が見つかったという話はやはりないため、メガ・ラニカにおいても天候竜の複数存在は疑問視される傾向にある。[要出典] また、死亡報告例も現在のところ確認されていないため、天候竜の寿命は不明。 そもそも、完全魔法生命体に、有機生命体のような寿命という概念があるのかという段階でよく分かっていないというのが現状である。 食事
天候竜は前述したように完全魔法生命体であり、人間のような有機物の摂取を必要としない。 天候竜のエネルギー源は周囲に漂う魔法エネルギー・マナであり、これを口や体表などから摂取しているものと思われる。 とはいえ、天候竜も全く食事をしないわけではなく、極端にマナ密度の高い物質を摂取する光景が観測された例も、ごく僅かではあるがある。 マナ密度の高い代表的な物質には、マナ喰らい蛇、女王トビムシ、龍木、オリハルコン、ガマニオン、銀星砂などがあるが(いずれも魔法世界にのみ存在する生物・植物・鉱物)、いずれの摂食例も確認されているため、天候竜が摂食基準とするのは有機物・無機物という点にはあまり関係がないと言われている。[要出典] ただし、マナ密度が低いと言われている人間を捕食したという噂も数例であるが確認されていると言われており、天候竜の摂食基準が本当にマナ密度にあるのかどうかも現状の所不明なままである。[要出典] 魔法都市・魔法世界との関係 魔法都市・魔法世界の上空を飛翔する天候竜であるが、各都市との関係は非常に薄い。 これは天候竜側は地上世界のことに関知せず、また地上側も地上に降りて来ることさえ希な天候竜に関知していないという、良い意味での放置関係となっているためである。 関連項目 ・実在する幻想生物(魔法生物) ・実在する古龍(エンシャントドラゴン) ・ドラゴン ・竜 |