◎舞台 ○華が丘市 瀬戸内沿岸にある一地方都市です。 海側の降松(くだりまつ)エリアと、内陸の華が丘(はながおか)エリアに分かれており、現在の都市機能は沿岸の降松へと移っています。 主要産業は港湾部の工業と、平野部の農業です。 ただ一つの違いは、内陸部の華が丘エリアは、魔法使いの住む魔法都市だという事です。 ○本編の主要な舞台 ・市立華が丘高校 華が丘山の奥に設立された、市立の新設校。 近隣の遠久山や降松の高校に通うしかなかった華が丘在住の生徒を受け入れるために作られた普通高校です。特に進学校といったわけではなく、県内のランクは中の上あたりになります。 もともと華が丘市内の生徒を通わせる事が目的だったため、普通科に関しては厳しい学区制が設定されています。そのため、近隣市である遠久山や降松からの入学は基本的に出来ません。 華が丘の奥地へと通じる、とても長い坂の中程にあります。かなり心臓破りな坂で、空を飛べない一般生徒達には評判が良くありません。 最大の特徴である異文化交流科は、異世界メガ・ラニカから留学してきた生徒を受け入れるための学科です。 異文化交流科は一学年にふたクラス、各二十人程度の定員のうち、ほぼ半数がメガ・ラニカからの留学生です。 また、異文化交流を促進する意味合いから、異文化交流科では華が丘市在住の生徒(一般生)とメガ・ラニカの生徒(留学生)でペアを組ませる『パートナー制度』が実施されています。 一般生は留学生から魔法やメガ・ラニカの知識を教えてもらう代わりに、留学生のホームステイ先の提供と、地球での生活のサポートを行う事になります。 ちなみに、このパートナー制度があるため、留学生用の学生寮はありません。 ・華が丘八幡宮 華が丘の中央、華が丘山の頂上にある大きな神社です。 秋には、収穫祭にあたる大きなお祭りが開かれています。 ・華が丘商店街 華が丘山のふもと、中心街にある商店街。 ひととおりのモノはここで揃います。 また、魔法携帯を扱うショップはここにしかありません。 ・華が丘西 華が丘商店街の西側、以前から華が丘に住んでいる住民のエリアです。 特に華が丘東と仲が悪いわけではありません。 ・華が丘東 華が丘商店街の東側、主に新しく開拓された住宅地です。 近隣の大都市(田舎の都市レベルではありますが)である遠久山・降松のベッドタウンという性格を持っています。 ・ゲート 異世界メガ・ラニカと地球を繋ぐ門。 華が丘山のふもとにあります。 異世界メガ・ラニカとの行き来には厳しい制限が敷かれているため、魔法世界へ気軽に行くことは出来ません。 これは留学生のPCでも同じです。 ・JR華が丘駅 一時間に一本のローカル線。 単線です。 ・遠久山(とおくやま)・降松(くだりまつ) 華が丘の隣町。本編での登場予定はありません。 なお、華が丘は魔法の源『マナ』の密度が他の地域と比べて著しく高いという地理特性を持ちます。 そのため、魔法使い達は華が丘では魔法を使えますが、それ以外の地域で魔法を使うことは出来ません。 ◎特殊な設定 ○魔法 マナ、と呼ばれるエネルギーを様々な技法で操ることで発生する超常現象です。 地球は基本的にマナの密度が薄いため、手練れの使い手でも華が丘以外で強い魔法を使うことは出来ません。 このことが、一般人に対して『現物の魔法は実は大したことがない』という誤解を生む元にもなりました。 華が丘はメガ・ラニカから流れ出る大量のマナの恩恵を受けられるため、魔法使い達も本来の魔法の力を発揮することが出来るようになります。 本来の魔法は、周囲の物理法則を無視し、時間や空間さえも操る、この世界の常識をはるかに越える力です。 ○魔法都市 マナの薄い地球の中で、高いマナの密度を持つ場所を、魔法都市と称します。程度の差はありますが、だいたいひと県にひとつ程度あります。 特に情報統制が敷かれているわけではありません。 最も新しく見つかった魔法都市でも既に発見から数十年も経っている『ブームの過ぎた』存在であり、いまさらマスコミがかかぎつけてくるようなことはありません。 基本的には、無限に茶畑の広がる宇治の『無限茶畑』や、戦艦大和をプラモデルのように組み立てたと言われる呉の『超弩級工廠』などのように、強いマナによって空間が歪んでいるだけです。 その数少ない例外が、魔法世界メガ・ラニカに通じる華が丘ということになります。 ○魔法世界 メガ・ラニカ 華が丘に通じる異世界の通称。 地球上ではないどこか別の空間にある魔法世界で、マナと呼ばれる不可視の力を物理現象に変える力『魔法』を使う者達が住まう世界です。 中世ヨーロッパより少しだけ進んだ程度の文化を持ち、北海道ほどの大きさの土地に百万人前後の住民が暮しています。 現在は統治者である四代目老ドロシーの意志で華が丘市の一部となっていますが、互いの交流は余分な混乱を起こさない程度に制限されているため、住民の生活形態に大きな変化は出ていません。 主要産業は農業と畜産。 世界の果ては崖。海はなく、世界の果ては虚無と呼ばれる断崖絶壁となっています。崖下千メートルまでは観測されていますが、それより下がどうなっているのかは誰も知りません。 最大の特徴は、魔法エネルギーの充ち満ちた世界であることです。そのため、一部では地球の文明よりも優れた箇所もあります。 ただし、魔法は周囲の大気に『マナ』と呼ばれる魔術媒体が漂っている事が発動の前提条件となるため、魔法都市以外の地上世界で大きな魔法を使うことは出来ません。 日本が異世界とはいえ別の国を併合するのは体裁が悪いので、形式上は『なんだか良く分からないけど何百年も前から日本に住んでいた人達で、もともと日本国民』といういい加減な解釈がされています。 日本側から見た住所は、日本国某県華が丘市メガ・ラニカ。 住民の国籍は日本です。 ちなみに公用語も日本語なので、特に通訳は必要ありません。 ・魔法世界の由来 十五世紀頃、魔女狩りを追われて逃げてきた一部の欧州人が、大航海時代の背景もあって日本にたどり着きました。彼らの逃げ込んだ隠れ里が、魔法世界メガ・ラニカの発祥です。 メガ・ラニカ建国当時の日本は戦国時代。 当時の日本側とは接触・交流もあったため、いつしか公用語は欧州の言葉ではなく日本語へと変わっていきました。 江戸時代、世の流れが鎖国へと移ってからはメガ・ラニカと華が丘との接触は自然となくなっていきましたが、1990年代に魔法世界側から華が丘への接触が行われ、現代の『再発見』へと繋がることになります。 現状、華が丘とメガ・ラニカの関係は、管理された状況ではあるものの非常に友好。 華が丘高校との交換留学も17期目を迎え、双方の協力はなおも盤石のものとなりつつあります。 ・魔法留学生 メガ・ラニカの住民を交換留学生として受け入れるシステム。毎年二十人ほどが華が丘へとやってきます。 メガ・ラニカ側の選考基準は『最低限の基礎教育を受けており、面接・適正・魔術的な面を判断的に総合して問題なしと判断されたもの』となっており、学力や身体能力だけで判断されているわけではないようです。 2008年度で第17期となります。 ○天候竜(ウェザードラゴン) マナと天の気が混ざり合って生まれる、魔力の結晶体です。特定の形を持つものの、『自然現象』ですので、実体は持ちません。 華が丘に出現する天候竜は他の魔法都市にはないリアルな実体化をしていますが、総じて温厚な性質を持ち、天候竜が空を舞う姿は華が丘の風物詩の一つとなっています。 また、天候がそのまま形になったものであるため、ほぼ百パーセントに近い確率の天気予報的中率を誇ります。 2008年の現在、晴天、曇天、雨天、暴風、雷天の五形態が確認されています。 |