・スピラ・カナン全図 『約束の地』の名を持つ広大な大陸です。 はるかな古代、宇宙からやってきた移民達によって開発・開拓された世界です。 最初の超文明の崩壊を筆頭に数百〜数千年単位で何度かの文明の崩壊を経験していますが(理由は様々です)、その度に復興しています。現在の大陸には七つの国が作られています。 スピラ・カナンは星の名であり、大陸の名でもあります。 古代の記録からこの星にはスピラ・カナン大陸以外にも幾つかの大陸がある事が知られていますが、そこに至る交通手段は今のところありません。 平野の国 スニアルプ 大陸最大の平野とそこを開墾して作られた穀倉地帯を持つ、大陸最大の農業王国です。 大陸の食糧供給を一手に握っている事と、大陸最大の版図を持つ事から、スピラ・カナンの盟主の立場にあります。 主要産業は牧畜と農業。 広大な領土を統治するための貴族と公明正大な人間の王の元で、順調な発展を遂げています。 王都 スニア スニアルプの王都です。 カセベア カセベア内海に面した王都最寄りの港です。軍港であり、スニアルプ最大の商業港でもあります。 ニカグニ 広大なスニアルプの南部と北部を繋ぐ交易都市です。 ラタン スニアルプ南部最大の都市です。 グーゼニア スニアルプ南部最大の港です。静寂の国シレンティウムへの定期船が出ています。 エンドロア もともと辺境の小さな田舎町でしたが、近年スピラ・カナンでも最大規模の遺跡が見つかり、多くの冒険者が訪れるようになりました。 木立の国 アーボース 大陸南部にある、深い森に覆われた国です。 山岳の国や静寂の国にも近く、また国内の森にはエルフの居住地も多くある事で知られています。深い森はいまだ未開の地である事が多く、古代の遺跡が他の国に比べても多く見つかる地でもあります。 主要産業は林業と漁業。 現王は古代人の技術を積極的に取り入れる政策を取っており、原始的な律令制や、塩田など古代技術を利用した新たな産業が始まっています。 王都 ヤーマ アーボースの王都です。 ナウベニア アーボース最大の港です。シレンティウムへの定期便や各国への交易航路を持ち、アーボースの経済を支えています。 シュナン ヤーマ、ナウベニアに次ぐアーボース第三の都市です。 ガディア アーボースの典型的な宿場町です。海沿いの街のため、港と塩田があります。 統治者は市民代表の町長と、王都から遣わされた役人達です。 夜空の国 ノクス・ノクティス 多くの学者、魔法使いの住む学研都市です。 もともとは古代の大国の一部だったのですが、権力に利用されない自由な研究を行うために独立しました。古代の大国は既に滅びており、現在ある他の六国との関係にその辺りの遺恨はありません。 産業らしきものはありませんが、スピラ・カナンの魔法使いの大半はここ出身か、ここ出身の魔法使いに師事していると言われています。 ノクス・ノクティス ノクス・ノクティスにノクス・ノクティス以外の都市はありません。 七つの国でただ一つ王を持たない国であり、代わりに実力のある魔法使い達の代表議会が政治を行っています。 山岳の国 ゲヴィルグス 大陸の中央山地に位置する、工業国です。 良質の金属を産出する鉱山があちこちにあり、またドワーフの国民が多く住む事でも知られています。 質実剛健なドワーフ王と難攻不落な地形、屈強なドワーフ戦士に守られている軍事国家の側面も持ちますが、その力はもっぱら守りに使われるだけで、その戦力が外側に向いた事は(いまのところ)ありません。 主要産業はもちろん工業。ドワーフ職人の作った精緻な工芸品も、高値で取引されています。 王都 ゲヴィルグス ゲヴィルグスの王都です。国内最大の金鉱山を擁し、大陸最高の金加工技術と設備を持っています。 ガルヴァット 国内最大の銀鉱山を持つ街です。 グンザン 国内最大の鉄鉱石鉱山を持つ街です。ワタツミの技術者を迎え、非常に強力な鉄を作る事で知られています。 草原の国 ヤヌ 大陸第二の巨大な平原を擁する、遊牧民の国家です。平野の国に似た所がありますが、平野の国が平原を開墾したのに対し、草原の国はそれを自然のままに活用しています。 遊牧民が主体となった国であるため、王を含む国民の大半は定住することなく国の各地を放浪して回っています。もちろん歩くよりも速く馬に乗れるようになるとまで言われた彼らは、優秀な騎兵でもあります。 主要産業は牧畜。 王都 ヤヌーラ ヤヌの王都です。 ヤヌの王は遊牧民族ヤヌーラ族の族長が務めていますが、王や主要な幹部は遊牧民族として今でも平原を回っているため、王座は不在である事がほとんどです。 ヘルボーサ ヤヌ第二の都です。 もともと遊牧民族ヘルボーサ族の都でした。かつてヘルボーサの民はヤヌーラ族と領土を二分して戦っていましたが、現在はヤヌに併合されています。 チャガタイ ヤヌ最大の港です。スニアルプ方面の交通は間を険しい山地が阻んでいるため(ゲヴィルグス経由で行けなくもありませんが、遠回りです)、海路での行き来が中心です。 海の国 ワタツミ 大陸東部に位置する海洋国家です。多くの小さな島で成り立っており、冶金や細工物、特殊な農業など、島ごとに特色のある産業を営んでいます。 スピラ・カナンには珍しく『月の大樹』信仰が根強く残っている国で、統治する女王は『月の大樹』に仕える巫女の長も兼ねています。 その国の性質上造船技術も盛んで、外洋を航海できる頑強な船も作られてはいますが……いまだ別の大陸に行って戻ってきた者はいないと言われています。 王都 ワタツミノミヤ ワタツミの王都です。 コンゴウ ワタツミで数少ない、大陸に存在する都です。ワタツミ最大の造船所があります。 静寂の国 シレンティウム 大陸西部の果てにある、魔族と呼ばれる亜人種が暮らしている島です。 遥かな昔、魔族は世界を滅ぼしかけましたが、現在は特にそんな事もなく、他の六つの国とも友好な関係を築いています。 なお、魔族というのは小勢力の雑多な亜人種達を総称して呼ぶ呼び方であり、『魔族』という種族がいるわけではありません。 王都 サイレン シレンティウムの王都です。魔族の代表者であるシレンティウム王が住んでいますが、特に魔王と呼ばれているわけではありません。 テサティウム シレンティウムで数少ない商業港です。 グーゼニアやナウベニアへの定期船も出ています。 月の大樹 スピラ・カナンの空にも、衛星である『月』が浮かんでいます。ただその月は地球の月とは違い、巨大な樹が直接生えているという変わった姿をもっています。 月の大樹と呼ばれるそれは、はるか古代にスピラ・カナンにやってきた最初の住人(古代人)達が乗ってきた移民船の残骸です。 艦内でコールドスリープしていた民も全て地表に移ったと言われており、グリー・ニィルと呼ばれたその艦が動く事はもうありませんが、移民から一万年を経た現在も遥かな高みからスピラ・カナンを見守っています。 もちろんガディアの『月の大樹』亭は、この月の大樹からその名前を戴いています。 なお、現状月の大樹に向かう方法はありません。 古代遺跡から宇宙船が見つかった記録は幾つかありますが、いずれも動力が足りず、動かなかったと言われています。 |