神揚帝国について


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●神揚帝国について

 神の名を掲げ揚げる、大陸南部に居を構える大帝国です。
 大後退後は神術(魔法のようなものです)や生命科学を極端に発達させました。

 都市部はそれら神術文明の恩恵にあずかっており、神術や『神獣』と呼ばれる合成生物が普通に使われています。
 滅びの原野の汚染された世界を浄化する琥珀色の霧を作る技術を持っており、その霧や神獣によって生活可能なエリアを少しずつ広げていきました。

 数代前から王国は北上政策を取っており、途中にあった小国を次々と併合して回っています。小国の王達はほとんどが大国である神揚の傘下に入り、そのまま神揚の貴族となりましたが、中には国を滅ぼされた王もいたようです。


神揚帝国周辺地図

15.帝都 大揚(だいよう)
 神揚の帝都です。
 神揚の神術文明の要です。

14.第二要塞都市 海門(かいもん)
 かつて神揚の前線基地として機能していた、巨大な要塞都市です。
 前線基地としての役割は終えて久しいですが、震柳への外敵(海賊など)の侵入を防ぐ要塞や風待ちの港として、現在もその賑わいを失ってはいません。

13.海洋都市 震柳(しんるう)
 大揚に次ぐ、神揚第二の都です。
 滅びの原野の北部・西部開拓の要としても機能しており、八達嶺への物資もここを経由して送られています。

12.第十三要塞都市 滴連(てきれん)
 神揚西部にある要塞都市です。
 大陸西部の半島南部開拓の拠点として作られました。
 周囲に多くの楼(清浄の地)がある事でも知られています。

11.港湾都市 ルビーナ
 神揚第三の都です。
 広い平野部を持ち、神揚の穀倉地帯としての性格と、東部開拓の前線拠点としての役割を併せ持つ大都市です。
 元はルビーナ王国という小国の都でした。

10.第六要塞都市 湖膳(こぜん)
 神揚最大の湖である、膳湖のほとりに建てられた都市です。
 湖膳王国という王国であり、今も王が存在しています。関係としては神揚の属国ですが、形式上は同盟関係にあります。

9.第十七要塞都市 八達嶺(はったつれい)
 原野の真ん中ほどにある神揚の前線基地です。
 中には民間人や商人達の暮す居住区なども完備されています。

 琥珀色の霧に包まれた森で、その合間に木造の屋敷や市場などが雑然と並んでいます。

8.北八楼(ほくはちろう)
 清浄の地とも呼ばれます。

 大後退での汚染を免れた貴重なエリア『楼(ろう)』の一つです。
 八達嶺の任務には、この清浄の地の調査・開拓も含まれています。

 北八楼は、八達嶺の北にある楼という意味です。

7.巨人の砦
 滅びの原野の深部から現われた、鋼鉄の巨人達の城塞と目されている場所です。
 薄暗い煙で覆われており、その内側を見通す事は出来ません。


●技術など
・文明
 基本的には中世程度の文明レベルを持っていますが、神術という特殊な力があるため、一部では現代文明に匹敵する部分もあります。
 神獣なども割と一般的に出回っており、平均値で言えばキングアーツさえ凌ぐ面も多くあります。

 学校教育制度はキングアーツに比べてかなり発達しており、寺子屋なども普及しています。基本的にPCは全て基礎教育を受けているものとします。

・神術
 神揚で使われる、精神力を物理的な現象に変換させる技術……いわゆる魔法です。

 誰でも使う事が出来ますが、概ね、炎を放ったり、物を浮かせたり、水を冷やしたりといったちょっとした効果を持つにしか過ぎません。より強力な神術が使える物は『神術師』と呼ばれ、尊敬の対象となっています。

 広範囲を破壊する・時を戻すなどといった桁外れに強力な神術は、大きな神術師の家系の秘伝とされており、強力な術者は帝国や術者の家系によって厳しく管理されています。

・神獣
 神揚で使われている、神術を利用して作られた人造生物の総称です。だいたい5〜6m程度の大きさを持ち、『霊石』という神術を封じ込めた石を動力源とします。
 滅びの原野の劣悪な環境でも生存出来るようになる、神揚では数少ない装備の一つです。

 自らの意思を持ち、簡単な命令を理解して動作するくらいの頭脳が備わっています。小型犬程度の知能があり、慣れれば『駆り手の呼びかけに応えて寄ってきて、駆り手を体内に受け入れる』くらいは出来ます。

 制御は神獣の体内に入り、その体に半ば融合する事で行います。アームコートのようにケーブルの数で能力が向上する……といった事はありませんが、強い痛みはアームコートのように遮断出来ず、そのまま駆り手に反映されてしまうという欠点もあります。
 なお人工とはいえ生物であるため、現地改造やパーツの組み替えといった事は得意ではありません。
 装甲などは放っておくと自己再生します。大型の損傷は、万能細胞と呼ばれる補充部品を使って再生させますが、損傷が大きくなりすぎると『死亡』してしまいます。

 神獣同士、後方とのやりとりは、神術を使った精神感応(テレパシー)で行っています。
 精神感応は、特定の相手や、周囲全体(神術の仕える神揚の民への発信のみ)など選ぶ事が出来、見たり考えたりしたイメージを送る事も可能です。
 ただし、外部への音声出力は、神獣という構造上不可能です。外に向けて咆える事は出来ます。

・融合
 人間の体に、動物の能力を融合させる技術です。
 動物の耳を付ける事で聴覚を強化させたり、黒豹の足を付ける事で運動性を上げたり、馬の下半身を付けて高速走行を可能にしたりします。安定している技術ですので失敗するような事はありませんし、普及している技術なのでそれに伴う偏見などもほとんどありません。

 融合は種族的な物では無く、人体に後付けで動物要素を組み込んで行うものです。
 なので、子供の時は人間型、大きくなってから犬耳が付いたり、馬の下半身が付いたりといった事も普通です。
 遺伝子は共通なので、馬下半身の娘と翼を持った男の間にも、子供は普通に生まれます。生まれたときの姿は、子宮内で改造を施さない限りはノーマルな人間型として生まれてきます。

 もちろん一族の全てが子供の時から鳥類の翼や、馬下半身に改造するしきたりを持つ一族……といったものは存在しますが、あくまでも『部族』『家系』という認識であって、『種族』という表現はされません。


・交通
 民間の乗り物は、基本的に神獣です。
 神獣を持っていない者は馬か徒歩となります。

 ただし、神獣が全て滅びの原野を踏破出来るわけではなく、耐性を持っていない神獣や他の動物は大気が無事な帝国南部や清浄の地に限ります。

 帝国北部に広がる滅びの原野での交通手段は、耐性を持った神獣に頼ることになります。

・言語
 大後退が起きるまでは大陸は一つの国だったため、使われている言語は大陸で共通です。
 各国で方言レベルの差はありますが、通じないほどではありません。

 文字は神揚の文字が使われています。

・宗教
 はるか空の果てを駆け巡り、この地にやってきたという存在たちを『神』として奉っています。神術師達はその知識を受け継いだものとされています。
 神の英知の一部を受け継ぐ事は非常に栄誉な事です。神そのものも高い尊敬を受けており、多くの神々が社や神殿で敬われています。

・通貨
 神揚の通貨として、『楊(よう)』があります。

 一楊貨、五楊貨、十楊貨、五十楊貨、百楊貨、五百楊貨が流通貨幣です。術を仕込んだより高額な紙幣も流通しています。
 いずれも神術を用いて作られた金属で、偽造が出来ないようになっています。

 だいたい一楊貨が五十円程度になります。
 キングアーツに比べて物価が安く、一般的に一日十楊あれば一般的な生活が営める……と言われていますが、軍人の場合は日用品は基本配給のため、それよりもっと安い金額で日常生活を送っているようです。

・単位系
 大後退以前の単位(SI単位系)がそのまま使われています。
 時間のみ、刻が使われています。一刻は二時間、十二刻で一日です。三十日で一月、一年は三百六十日です。



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