キングアーツについて


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●キングアーツ王国について

 聖王の術を連綿と伝え紡ぐ鋼鉄と煤煙の王国です。
 大陸の北端に王都を構えています。

 大後退後は機械文明を極度に発達させ、大陸北部の盟主となりました。
 全体的には産業革命直後くらいの文明レベルのイメージですが、アームコートや義体など、古代の超文明をそのまま受け継いでいる所も多くあります。
 そのイメージ通り環境汚染もかなりのものですが、キングアーツの民は呼吸器や消化器に機械的な補助を付ける事で環境汚染に対する耐性を身に付けていますので、あまり問題にはなっていないようです。


 数代前から王国は南下政策を取っており、途中にあった小国を次々と併合して回っています。小国の王達はほとんどが大国であるキングアーツの傘下に入り、そのままキングアーツの貴族となりましたが、中には国を滅ぼされた王もいたようです。



キングアーツ王国周辺地図


1.王都グランアーツ
 キングアーツの王都です。
 技術国家であるキングアーツ最大の工廠を持つ、科学の要塞です。

2.メガリ・ニルハルゼア
 キングアーツ西部開拓中期に建造された、大規模メガリ(前線基地)です。
 王国西部開拓の前線基地として長く稼働していましたが、現在はさらに南東にメガリ・インバネッサが建造されており、西部開拓の前線基地としての役割はほぼ終えています。
 ただ、拠点としてのニルハルゼアの重要性は未だ衰えておらず、また、対岸にある半島部への進出拠点として、新たな役割を検討されています。

3.副王都 蘭衆(らんしゅう)
 かつては蘭衆と呼ばれた国の首都でした。
 現在はキングアーツに併合され、副王都としてキングアーツ第二の都市となっています。

4.鉱山都市ボイオティカ
 キングアーツ最大の黒王石鉱山、その他の金属鉱山を擁する街です。
 王都に次ぐ規模の大工廠も保有しています。

5.メガリ・インバネッサ
 メガリ・ニルハルゼアの南東に位置する新しい部類に入る前線基地です。
 西部の南東地域は比較的開拓の進んだ中央部よりも滅びの原野の瘴気が濃く、早期の浄化が期待されています。

6.メガリ・イサイアス
 イサイアス湖のほとりに建造されている、キングアーツ最大級のメガリです。キングアーツ中央部開拓の最重要拠点となっています。
 さらに南にあるメガリ・エクリシアへの物資も、主にここを中継して送られてきています。

7.メガリ・エクリシア
 キングアーツの南下政策の拠点として建造されたばかりの、現状最新のメガリです。
 アレクサンド第二王子が総指揮を執る南部開拓の新たな拠点として、今後が期待されています。

8.スミルナ・エクリシア
 清浄の地とも呼ばれます。

 大後退での汚染を免れた貴重なエリアです。
 メガリ・エクリシアの任務には、この清浄の地の調査・開拓も含まれています。

9.魔物の巣
 滅びの原野に徘徊する魔物達の巣であろうと目されている場所です。
 周囲は琥珀色の霧で覆われており、内側を見通す事は出来ません。


●技術など
・文明
 黒王石と呼ばれる動力源を使った超高度な動力機関を使っており、一部では現代文明に匹敵する部分もありますが、基本的に軍用で一般にはあまり出回っていません。
 民間の乗り物は、基本的に馬車です。

 メガリ・エクリシアは民間といっても軍事関係の仕事をしている所が多いので、運搬用の自動機械などは一般より多めに出回っています。

 軍学校はありますが、一般向けの学校教育制度はないため一般の識字率はそれほど高くありません。メガリ・エクリシアの住人は軍関係者が多い事もあり、基本的にどのPCも文字の読み書きは出来るものと考えて構いません。

・アームコート
 キングアーツで使われている、6mほどの機械式強化服の総称です。
 動力は『黒王石』と呼ばれる石炭に似た外観を持つ黒い石が使われています。

 もともとはキングアーツに伝わる多目的作業装備でしたが、キングアーツの領土拡大政策から武装が施されるようになり、攻城戦、対人戦などにも用いられるようになりました。現在は個人用の空気清浄化装置が組み込まれ、滅びの原野の開拓にも用いられています。
 北方の多くの国が保有しており、北部ではアームコート同士の戦いも多く見られました。
 現状、滅びの原野の劣悪な環境でも生存出来るようになる唯一の装備であり、キングアーツの軍人達にとっては乗り物というよりは上着感覚の認識です。

 制御はアームコート側の制御ケーブルを義体に直接接続して行われます。このケーブルの数が多ければ多いほど精密な動作が可能になります。
 構造上、義体装着者しか操縦することは出来ませんが、キングアーツでは全ての軍人が義体装着者なので、問題になったことはありません。生身の人間がアームコートを運用する場合、まず体の義体化から始めるのが一般的です(車乗りたいなら免許取れ、と同じ程度の認識)。

 飛行能力を持つ機体はアームコートの構造上、着用者に多大な負担が掛かるため、実用化されていません。
 輸送車両のような大型の輸送専用アームコートはあります。

・義体
 キングアーツで一般的に使われている、義手・義足などの人体機械化技術の総称です。
 いわゆるサイボーグ的なもので、軍人ともなれば全身を義体化している事も珍しくありません。ごく一般的な技術なので、義体化したキングアーツ人に対する差別・偏見などは特にありません。

 なお、義体化出来るのは筋肉・骨格・循環器・神経の一部のみで、脳・消化器・生殖器を義体化する事は出来ません。ですので全身義体化したPCでも、そんな生身の部分の維持にそれなりの食事は必要になります(非常用の生命維持装置を組み込む事は出来ますので、回数は全身生身の人間よりも少なく出来ますが)

・交通
 民間の乗り物は、基本的に馬車です。あとは徒歩。
 ただし馬車が使えるのは、大気が無事な王国北部や清浄の地に限ります。

 王国南部に広がる滅びの原野での交通手段は、輸送車とアームコートのみとなります。

・言語
 大後退が起きるまでは大陸は一つの国だったため、使われている言語は大陸で共通です。
 各国で方言レベルの差はありますが、通じないほどではありません。

・宗教
 はるか空の果てを駆け巡り、この地にやってきたという存在たちを『神』として奉っています。それがキングアーツ王家の祖先と言われていますが、定かではありません。

 ただしそこまで熱狂的に崇拝しているわけではありません。

・通貨
 キングアーツの共通通貨として『アルツ』があります。

 一アルツ鉄貨、五アルツ銅貨、十アルツ銅貨、五十アルツ小銀貨、百アルツ銀貨、五百アルツ大銀貨が流通貨幣です。
 また、軍事都市であるメガリ・エクリシアでは百、五百、千、五千、一万アルツの軍用紙幣も使われています。

 だいたい一アルツが百円程度になります。
 一般的に一日十アルツあれば一般的な生活が営める……と言われていますが、軍人の場合は日用品は基本配給のため、それよりもっと安い金額で日常生活を送っているようです。

・単位系
 大後退以前の単位(SI単位系)がそのまま使われています。



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