「っ痛ぅ……………」
　スタックは小川のほとりに寝転び、小さくそう呟いた。
　「ったくよぉ……。少しは自分の息子を信じろっての…。本気でやりやがって……」
　次の日。ユイカと共に下山したスタックを待っていたのは、朱鳥と母親の容赦無い
攻撃であった。
　まあ、年ごろの男女が一晩を過ごしたのだ。何もないと思う方がどうかしている…
…だろう、多分。
　「ん？」
　ふと感じた頭上の気配に、土手の上方を向く。
　そこにいたのは、ユイカだった。

　「何かあたしのせいで……ごめんね、スタック」
　寝転んでいるスタックの隣に腰をおろし、ユイカは所在なさそうにそう呟く。
　「気にすんじゃねえよ。こんなのいつもの事だって」
　「だって……ホント、何にもなかったじゃない。それなのに、朱鳥ったら……」
　やはり負い目があるのだろう。まるで自分の事のようにユイカは怒ってみせる。
　と、
　「………スタック？」
　そのユイカの手を、スタックが突然掴んだ。
　「ユイカ。本当に……俺がお前抱いてて、何にも思わなかったって思ってんのか？」
　自らの意志を押し殺すように、呟く。
　「スタック？　どしたの、突然…」
　「俺だって普通の男だぜ。その男が、血の繋がりもない半裸の女の子抱いてて、変
な気持ちにならない……って、本気で思ってるのか？」
　自然、ユイカの手首を握るスタックの握力が、強くなる。
　「痛い…痛いって、離してよっ！」
　その手を振りほどこうとするユイカ。
　だが、スタックの手は離れない。
　圧倒的な、力の差。
　「昨日だってよ、割と危なかったんだぜ？　ホントのトコ……」
　「スタック……今日、何か変だよ…」
　訥訥と語るスタックに本能的な恐怖を覚えたのか、ユイカの声に怯えの色が入り始
めた。
　「ユイカ………」
　そのユイカの繋いだ手を、スタックは思いっきり引き寄せる。
　「あ…ン………」
　抱き留められると同時に、重なる、唇。
　ユイカは嫌悪感と恐怖に、体を硬くする。
　ファーストキス…ではない。サフィーや朱鳥と、戯れにした事があるからだ。
　だが、男とのキスは……
　力強い腕がユイカを細い体を強く抱きしめてくる。力強くはあるが、決して痛くは
ない。いつも抱き合って眠る朱鳥の腕とは明らかに違う、強くて、優しい腕。昨日抱
かれていた時はこんな事、少しも感じなかったのに……
　優しい腕の暖かさに、嫌悪感が少しずつ消えていく。
　なぜだか分からない気持ちに胸が一杯になり、恐怖から閉じていた瞳に涙の粒が宿
る。しかし、その涙は恐怖の涙ではない。
　唇を覆っていた感触がなくなったのは、唐突だった。
　そして……。

　びゅくんっ！　びゅるびゅるびゅるぅっ！
「あ……スタック…イ…ン……んんっ！」
　スタックの精がユイカの子宮の奥深くまで放たれたのだ。ユイカは容赦なく襲って
くる快楽と畏怖の感情に、激しく身を震わせる。
　これが、自分が兄のように慕った男の、歯止めの利かなくなった力というものか。
少女のまとっていたキュロットを引き裂き、己を激しく求め動く、この力の持ち主が。
「ユイカ。どうだ？」
　そんなユイカの頬に唇を寄せ、スタックは腕の中の少女へと問い掛ける。
「あったかいか……？」
　ゆっくりと指をユイカの可憐な唇に触れさせ、その指をつい……と白い喉元へと滑
らせていく。その軌跡に添って、透明なラインを残していくユイカの唾液。
「スタックぅ……」
　ユイカの方はトロンとした瞳をして、スタックのなすがままだ。上気した頬はまだ
１４才の少女とは思えない艶やかな色に染められている。
「赤ちゃん……赤ちゃんが出来ちゃう……よぉ……」
　うわごとのようにそう呟きつつも、少女がスタックを拒む様子はない。本気の彼女
の力を持ってすれば、ここまで無防備なスタックを振り切ることなど造作もないはず
なのに……。
「でもユイカ、嫌がってないよな……？」
　小さく笑い、さらに自らのペニスを少女の奥へと突き上げるスタック。
「本当は、嫌いじゃないんだろ？」
「あ……あ……ふぅ…ンっ…奥……奥ぅっ！　出し……てェェ……」
　じゅるり……という音すら立て、スタックのペニスがユイカの胎内から排出された。
ユイカの愛液と交ざり合って粘りけの高くなった精液はねっとりと糸を引き、ユイカ
の膣口とスタックのペニスの間に淫らな液体の橋を造り上げていく。
　ぷつり。
　糸のごとき細さとなった橋が途切れた瞬間、ユイカから嗚咽の声が聞こえ始める。
「や……やぁ………ひっく……」
　ユイカはスタックの精を大量に飲み込んで膨らんだ自らのお腹に泣きじゃくりなが
ら手を当てた。汗と精と愛液。ぴちゃりと音を立てるほどに水気を含んだ服の上から
ぷっくりと膨らんだお腹をゆっくり押すと、胎内に飲み込まれたスタックの精液がと
ろり…と溢れだしてくる。
「あ……はぅ…や……イヤなのぉ……けど……けどぉ…」
「けど？　本当に、イヤか？」
　ユイカの掌に自らの手を優しく重ね、そぉっとユイカのお腹を押してやる。ユイカ
の柔らかい掌越しに伝わってくるなだらかに膨らんだお腹の感触と、お腹一杯に溜
まった精液の膨張感。そして、上気したユイカの高めの体温が、たまらなく心地いい。
「ううん……いい……よぉ……」
　溢れだす精液と愛液の感触に、泣きじゃくりながらも悦びの声を上げてしまうユイ
カ。
「……そっか」
　溢れだした混濁液はすぐ真下に構えられたスタックのペニスへと降り注ぎ、スタッ
クの膨れ上がった暴君をどろどろに汚していく。
「いつもは、朱鳥とこう言うことやってたよな……確か」
　スタックはユイカの手を取ると、ペニスから滴り落ちる二人の混濁液をそっとすく
わせた。混濁液の溜まった白い手のひらを、今度はユイカの目の前に持ってくる。
「ぁぅ……見てた、んだ……」
　ユイカは可愛らしい舌を伸ばし、彼女の指の間に絡み付いた液体をスタックの指ご
とぴちゃぴちゃとしゃぶっていく。たまらずスタックも彼の指に夢中な彼女の耳を
そっと銜えた。
「ン………」
　娘の舌がスタックの指を巡って淫らに蠢き、耳をしゃぶられる感覚に細い身をよじ
る。
　ごくん。
　そして、スタックが喉を鳴らして二人の共有物……二人の唾液でうめられていた、
二人の混濁液……を飲み込んだ。
「スタックぅ。もうないの………？」
「ったく。ねえよ」
「ねぇ、スタックってばぁ……」
「それじゃあさ。俺のでも……いいか？」
　スタックは混濁液にまみれ、二人の性臭が立ち上って来るほどに汚れたペニスを、
ユイカの前にずいと突き出した。
「スタックの意地悪ぅ……」
　そう愚痴りつつも、四つん這いになったユイカはスタックのペニスに舌を這わせ、
汚れた性器を丹念に磨き始める。
「あ、でも、スタックの匂い……」
　むせ返るほどの性臭を形の良い鼻でスンスンと嗅ぐと、ユイカはうっとりを目を細
めた。鼻を近づけすぎたせいでドロドロのペニスがユイカの顔にぺちゃりと吸い付く
が、少女はそれを気にした風もなく、むしろその感触すら楽しむように淫らな匂いを
愉しんでいる。
　と。
「あ………あふぅ……ンっ！」
　股間から伝わってくる、凄まじい感覚。誰かがユイカの股間に唇を押しつけ、膣内
に溜まっていた彼女とスタックの混濁液をずるずると吸いだしたのだ。
「あ……いひぃ……いぃよぉ……」
　強引に混濁液を引きずり出された感触に思わず達してしまい、ユイカは力が抜けた
ようにがくりと膝を崩してしまう。
「ユイカ達……すっごく気持ちよさそうなコトしてるんだもん……。あたしも混ぜて
よ……ね？」
　そう言いながら、がくがくと身を震わせているユイカの股間に顔を再び押しつけて
きたのは、彼女の双子のかたわれ……朱鳥だった。


　ぬるり……
　ユイカのドロドロの股間を、スタックのペニスがゆっくりと滑っていく。
　彼女の入り口付近でいきり立った剛直をぐりぐりと押しつけ、まるで彼女を焦らす
かのように動かす。完全に勃起した竿の部分をユイカの割れ目に擦り付けさせ、軽く
いたぶってやる。先程からたっぷりと排出された粘っこい愛液がスタックに絡み付き、
スタックのペニス全体をドロドロに汚していく。
「スタック…入れてよぉ……。ねぇ、早くったらぁ………」
「ったく、さっきやったばっかだってのに……」
　スタックは妹のように想っていた娘の上げる甘ったるい声に苦笑を浮かべ、四つん
這いの彼女にゆっくりとのし掛かった。
「あっ！　いいのっ……いいのぉぉっ！」
　子宮を征服してくるスタックのペニスの感触に、ユイカはたまらず声を上げてしま
う。
　大好きな人が自分を抱き、あまつさえ挿入しているのだ。朱鳥と戯れている時のよ
うに魔法でユイカ用に調整された男根ではないにせよ、ユイカにとっては大好きな人
の大切な「もの」。太く硬いが、どうしようもなく感じてしまう事も否めない。
　大好きな人に体を捧げているという満足感と、最初は強引に犯され、いやがってい
たはずなのに今は淫らな喘ぎ声を上げているという背徳感、それから、口と股間から
伝わってくるどうしようもない快感の三つの感情が幼い娘をさいなみ、その感情の高
ぶりが彼女をさらなる高みへと押し上げていく。
「あ、あひぃ……しゅ、朱鳥のも……いいよぉ」
　全身の力という力をスタックのペニスに全て奪われつつも、目の前にあるどろどろ
の肉棒を愛おしげに両手で包み、精一杯の力で舌を這わせる。
　ぶしゅっ！　どろぉっ！
　突如放たれた朱鳥の精がユイカの喉を突いた。思わずむせ返ったユイカはとっさに
ペニスから口を離してしまう。だが、それでもなお放たれる朱鳥の精は、ユイカのま
だ幼さの残る可愛らしい顔をべたべたによごしていく。
「朱鳥ぉ……。朱鳥のエッチな液、とってもあったかぁい……。もっと……もっと出
してぇ……」
　精液まみれの顔になったユイカは口元に流れてきた朱鳥の精をぺろりと嘗め、にっ
こりと笑みを浮かべた。幼い容貌と白濁液の薄化粧から生み出される無垢な淫乱さを
秘めた笑顔に対しては、精霊に近い存在の朱鳥ですら激しい肉欲に駆られてしまう。
「ユイカぁ……もっと、もっとして……」
　欲望のまま、ユイカのどろどろの顔にぐいぐいとペニスを押しつけていく朱鳥。た
だ、自らの愛しい主を穢したい、喘ぎ声を聞かせて欲しい……そんな想いだけが、彼
女のこころを支配する。
「うん……。けど、朱鳥ももっと出してね……」
　しかし、ユイカの方も朱鳥の押しつけてくるペニスに愛おしげな頬ずりを返し、先
程よりももっと激しく舌を使い始める。その間も、スタックの子宮を突くリズムに合
わせて腰を淫らに振りたくることは忘れない。
 「……スタックもぉ……ン……」
　朱鳥の方も、股間から伝わってくるユイカの精一杯の舌使いと、口づけを交わして
いるスタックの絶妙な舌使いに顔を火照らせ、淫らなあえぎ声を上げるのが精一杯
だった。芯までぼぉっとなった頭の中からは唾液を飲み込む動作すら弾き飛ばされ、
その可愛らしい口からはスタックの物と混ざり合った唾液が垂れ流されたままだ。
「ユイカ……朱鳥……くぅっ！」
　ユイカのまだ未成熟な膣は小さく、スタックのペニスを一杯に締め付けてくる。そ
れなりに経験のあるスタックですら次々と襲ってくる悦楽の波に堪えきれず、もう何
度となく精をユイカの中に放っていた。ごぼり、一杯になったユイカの膣口から、ス
タックの精とユイカの愛液と朱鳥の精の混ざったものが溢れ出す。
「あ、美味しそう………」
「あ…ひィん！」
　口を犯していたペニスが一気に抜き放たれたのだ。奇妙な喪失感と抜き放たれる時
の快感に、ユイカは思わず変な声を上げてしまった。
　ぬぷりとユイカの中からペニスを抜き放つと朱鳥はユイカの股間に再び顔を埋め、
スタックとの交合によりこんこんと溢れ出してくる三人の愛の結晶をすすり始める。
「朱鳥ぅ、ずるいよぉ……。抜くこと、ないじゃない」
　ユイカも体勢を仰向けに変え、自分とスタックの間に挟まった形の朱鳥のペニスを
再び銜え直す。空いた両手の行く先は、もちろん３人の液を湧き出させる愛の泉だ。
　ぬちゃ……
　朱鳥のユイカよりは大きな……それでも小さくはあったが……乳房がユイカの膨ら
んだお腹を圧迫し、ユイカの膣から三人の混濁液を溢れ出させた。
「お前ら……いつもそんな事やってんのか……」
　ユイカと朱鳥にのしかかったまま、スタックは呆れたような表情を浮かべる。
「うふふ。スタックも、いる？」
「いや、俺はいいや。二人で楽しんでくれや……」
「そう？　じゃ、キスだけ……」
　さらに粘り気と性臭を増した混濁液を一杯に口にほおばった朱鳥はそれをさも美味
しそうに飲み込むと、スタックの唇をそっと奪った。
「あ、ダメぇ。スタックは、私のぉ……」
　口の中に流し込まれ、こぼれた液は決して大きくはない胸元にしたたらせつつ、ユ
イカは淫らで甘えたような非難の声を上げた。



「すまねえ……。俺……とんでもない事やっちまったな…」
　二人の瓜二つな美少女を両手に抱いたまま、スタックは呆然とした声で呟く。
「そーよ。全く、男の子とエッチなんてしたの、生まれて初めてだったんだからね。
血も出ちゃったし……」
　そのスタックに、怒ってみせるユイカ。
　彼女の中には人ならぬ夜の者の血が流れている。その血が強く出たとき、己の意志
など意に介さず、先程のように強烈に他人を求めてしまうのだ。
　まあ、その強い闇の血のお陰で兄のような存在に犯された今も、こうしてのんびり
と話などしていられるのだが。普通なら激しいショックで口を利くことすらままなら
ないはずだ。
「スタック、聞いてるの？」
　ユイカの言葉に、スタックはのろのろと顔を上げる。
「ああ。聞いて…」
　青年の、言葉が止まった。
　静寂。
「ユ、ユイカ、おま…」
　また、静寂。
　今度の静寂を破ったのは、ユイカだ。照れたような、怒ったような口調でスタック
に言い放つ。
「朱鳥に何回か取られちゃったからね。取り返しとかないと」
　そう言ってユイカはもう一度スタックの唇を奪い取ると、再び男の胸の中へと飛び
込んでいた。